二酸化炭素泉とは
二酸化炭素泉は、温泉水 1kg 中に遊離二酸化炭素(CO₂)を 1,000mg 以上含む温泉です。日本国内では希少で、長野県・大分県などに名湯があります。
入浴すると、小さな炭酸ガスの気泡が体に付着するため、俗に「泡の湯」「ラムネの湯」と呼ばれます。皮膚から吸収された CO₂ が末梢の毛細血管を拡張するため、ぬるめの湯(35〜38℃)でも体がよく温まり、心臓への負担も少ないとされます。
入浴の効果と作用機序
二酸化炭素泉の浴用適応症は「きりきず」「末梢循環障害」「冷え性」「自律神経不安定症」の4つです(鉱泉分析法指針 泉質別適応症)。最大の特徴は CO₂ ガスの経皮吸収による末梢血管拡張作用。心臓への負担が少なく温まれるとされる点が、他の泉質にない特性です。
末梢循環障害・冷え性
皮膚から吸収された CO₂ は 末梢の毛細血管を直接拡張 し、温熱効果以上の血流増加をもたらすとされます。35〜38℃のぬるめの湯でも体の芯まで温まる「化学的な温まり」が CO₂ 泉の真骨頂。冷え性で熱い湯が苦手な方に向いているとされます。
自律神経不安定症
ぬるめの湯にゆっくり浸かることで 副交感神経が優位 になり、自律神経のバランスが整うとされます。CO₂ の血管拡張作用が温熱より穏やかなため、交感神経を刺激しにくいと考えられています。単純温泉と同じく、自律神経不安定症が適応症とされる泉質です。
きりきず(切り傷)
血行促進により創傷部位への酸素・栄養供給が増え、組織修復を助けると考えられています。ぬるめの湯のため炎症を悪化させにくく、デリケートな部位の入浴にも向きます。
心臓への負担が少ないとされる理由
末梢血管が拡張することで、熱い湯に比べて血圧や心臓への負担が少ないとされます。ヨーロッパでは CO₂ 泉を用いた療養が行われてきたことでも知られます。なお、心疾患は二酸化炭素泉の泉質別適応症ではありません。心疾患・高血圧のある方は、入浴前に必ず主治医に相談してください。
飲用の効果(飲用適応症)
炭酸ガスのさわやかな飲み口で、胃のぜん動運動や胃液分泌を促すとされ、胃腸機能低下が飲用の適応症とされています。
- 胃腸機能低下二酸化炭素泉の飲用は、胃腸の働きが弱っている場合に適応とされています。温泉水に含まれる炭酸ガスが胃の粘膜を刺激し、胃の運動を活発にすることで、消化機能の改善や食欲増進に役立つと考えられています。
二酸化炭素泉の入り方のコツ
- 炭酸ガスは温度が高いと逃げやすいので、ぬるめの源泉(35〜38℃)に長めに浸かるのがベスト。二酸化炭素泉の有効成分である炭酸ガスは、お湯の温度が高いと気化して逃げてしまいます。そのため、35〜38℃ほどのぬるめのお湯にゆっくり長く浸かるのが、血行促進効果を最大限に引き出すコツです。ぬるくても体の芯から温まるのが二酸化炭素泉の優れた点です。
- かき混ぜると気泡が消えるので、湯にゆっくり身を沈めて静かに浸かりましょう。体に付着する細かな気泡の正体は、血行を促進する炭酸ガスです。お湯をかき混ぜたり、体を強くこすったりすると、この気泡が離れてしまい効果が薄れてしまいます。湯船にはそっと入り、なるべく体を動かさずに浸かることで、炭酸ガスの経皮吸収を促しましょう。
- 高齢者も入浴しやすい泉質です。心疾患のある方は事前に主治医に相談し、水分補給を十分に。
おすすめの「湯めぐり」順
放射能泉 → 二酸化炭素泉 → 塩化物泉の順は、放射能泉でリラックス → 二酸化炭素泉で血行を促す → 塩化物泉で保温コートという、冷え性の方向けの湯めぐり順として紹介されています。
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参考文献
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