含よう素泉とは
含よう素泉は、温泉水 1kg 中によう化物イオン(I⁻)が 10mg 以上含まれる温泉です。火山ではなく地層由来の非火山性温泉に多く見られ、千葉県・新潟県などに名湯があります。
湧出直後は無色ですが、空気に触れると黄色〜茶褐色に着色するのが特徴です。ヨード液(うがい薬)を連想させる薬のような香りと、口に含むと独特の苦味があります。
日本は世界有数のよう素生産国で、その多くが含よう素泉を含む地下水(鹹水)から採取されています。
飲用・入浴の効果と作用機序
含よう素泉の中心的な適応は 飲用での「高コレステロール血症」。よう素が甲状腺ホルモン産生を介して 脂質代謝 に関わることが、その背景と考えられています。また殺菌・抗菌作用があるとされ、伝統的に皮膚疾患の湯治にも用いられてきました。
高コレステロール血症(飲用)
よう素は 甲状腺ホルモン(チロキシン T4・トリヨードチロニン T3)の構成元素 で、これらのホルモンは肝臓でのコレステロール代謝に関わります。これが、含よう素泉の飲用で高コレステロール血症が適応症とされる背景と考えられています(あくまで補完的なものです)。
殺菌・抗菌作用(入浴)
よう素は 強力な殺菌剤 として医療現場でも使われています(ヨードチンキ、ポビドンヨード等)。含よう素泉の入浴は、皮膚表面の細菌・真菌の増殖を抑えるとされ、皮膚の湯治に伝統的に用いられてきました。なお、含よう素泉に浴用の泉質別適応症はありません。
黄褐色への変化と新鮮さ
湧出直後の無色のよう化物イオン(I⁻)は、空気接触で ヨウ素分子(I₂)へ酸化 して黄〜茶褐色になります。色の濃さは酸化の指標で、色が薄いほど鮮度が高く、生物利用率も高い状態です。
含よう素泉の入り方のコツ
- 黄褐色の湯は新鮮さの目安。空気酸化が進むと色が深くなります。含よう素泉は、湧き出した直後は無色透明ですが、空気に触れて酸化することで特徴的な黄色や茶褐色になります。そのため、湯の色は温泉の新鮮さを示すバロメーターと言えます。色が濃いほど、空気に触れてから時間が経過していることを意味します。
- シルバーや真鍮のアクセサリーはよう素で変色する可能性があるため外しましょう。含まれるよう素は化学的に反応しやすく、特に銀や真鍮などの金属を酸化させて変色させる性質があります。大切なアクセサリーが黒ずんだり、質感が変わってしまったりするのを防ぐため、入浴前には必ず外して保管しましょう。
- 飲泉する場合は施設の表示する許容量を厳守してください。含よう素泉は飲用で高コレステロール血症が適応症とされていますが、よう素の過剰摂取は甲状腺機能に影響を与える可能性があります。安全に飲泉するため、各施設が定めた一日の摂取量や飲み方を必ず守ってください。
関連する温泉施設
入り方から宿を選ぶ
参考文献
関連記事








