酸性泉とは
酸性泉は、温泉水 1kg 中に水素イオン(H⁺)を 1mg 以上含む温泉です。pH は 2〜3 程度で、レモンや酢に近い強い酸性。火山性温泉に多く、群馬県の草津温泉や秋田県の玉川温泉が代表的です。
殺菌力が非常に高く、入浴で皮膚にしみることがあり、口にすると酸味があります。古くから皮膚病・水虫の湯治場として利用されてきました。
入浴の効果と作用機序
酸性泉の浴用適応症は「アトピー性皮膚炎」「尋常性乾癬」「表皮化膿症」「耐糖能異常(糖尿病)」の4つです(鉱泉分析法指針 泉質別適応症)。中心となる作用機序は 強い殺菌力による皮膚常在菌・病原菌の抑制 と 角質溶解作用。一方で刺激が強く、敏感肌・乾燥肌の方には禁忌となる点に注意。
アトピー性皮膚炎
酸性泉の pH 2〜3 の強い殺菌力 が、アトピーの増悪因子である黄色ブドウ球菌などの病原菌を直接抑制します。さらに古い角質を溶かして肌の代謝を促す作用も。重症期は逆に刺激となるため、急性期は避け、寛解期に短時間から が原則です。皮膚科医に必ず相談してください。
尋常性乾癬・表皮化膿症
酸性泉は 皮膚表面の細菌増殖を強力に抑え、慢性的な皮膚炎症の改善をサポートします。江戸時代から「皮膚病の湯治場」として利用されてきた歴史的実績があり、玉川温泉や草津温泉は今も全国から湯治客が訪れます。
耐糖能異常(糖尿病)
入浴時の温熱・血行促進作用と、酸性泉特有の 代謝刺激 が血糖値の安定化に寄与すると報告されています。あくまで補完療法であり、医療を中断せず併用するのが基本です。
酸性泉の入り方のコツ
- 初めての場合は 3〜5 分の短時間入浴から始め、肌の様子を見てから徐々に時間を延ばします。酸性泉はpH2~3と刺激が非常に強い泉質です。肌が慣れていないうちから長湯をすると、ピリピリとした痛みや肌荒れの原因になることがあります。まずはご自身の肌に合うか確かめるため、短い時間から試しましょう。
- 入浴後は真湯(または水道水)で軽く洗い流すことが推奨されます。酸性成分が肌に残ると刺激が強すぎる可能性があるため。温泉成分を肌に残した方が効果的と思われがちですが、酸性泉の場合は別です。殺菌力が高い反面、肌への刺激も強いため、温泉成分を洗い流さずにいると肌が乾燥したり、湯ただれを起こしたりする危険性があります。上がり湯でしっかり成分を落とすことが大切です。
- シャンプーや洗顔は別の浴室で。酸性湯と化学反応するためです。石鹸やシャンプーはアルカリ性の製品が多いため、酸性の温泉水と混ざると中和反応が起こり、洗浄効果が著しく低下します。また、温泉成分と反応して石鹸カスが発生しやすくなるため、洗い場は真湯(水道水)が使える場所を選びましょう。
おすすめの「湯めぐり」順
酸性泉(またはアルカリ性単純温泉)→ 塩化物泉(または硫酸塩泉)の順は、強い酸性で皮脂や角質を取り除いた後に保湿成分でコーティングする「美肌湯めぐりの鉄板コース」として知られています(環境省マニュアル準拠)。
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参考文献
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